【中国語検定3級】合格体験記

栃木県日中友好協会理事の酒巻です。

私は2022年7月に、第106回中国語検定試験3級に合格しました!
合格証明書と得点は以下の通りです。

・リスニング  65/100
・筆記     89/100
・合計点数   154/200(得点率  77.0%)

リスニング、筆記それぞれ合格基準点は65点です(稀に平均点による変則あり)。
今回は実際に合格基準点の変更があり、リスニング・筆記それぞれ65点から50点にまで引き下げられました。

出題形式

【リスニング】
大問1 一問一答
大問2 会話の聞き取り

【筆記】
大問1
 小1 声調問題
 小2 ピンイン問題

大問2 文章に適当な漢字を当てはめる選択問題

大問3
 小1 中国語訳文の正誤問題
 小2 並べ替え問題

大問4 長文読解

大問5 日本語文を中国語訳(作文)

中国語検定3級のレベル(中検公式サイトより)

自力で応用力を養いうる能力の保証(一般的事項のマスター)

基本的な文章を読み,書くことができること。簡単な日常会話ができる。
(一般大学の第二外国語において二年以上の学習程度。)

CEFRはB1~B2レベルです。

4級から3級への壁は高い

私が中検3級を受験したのは大学二年次の前期で、中国語のレベルとしては4級を余裕で合格できるくらいでした。大学の中国語の授業もラクラクついていける感覚はありました。

3級向けの単語帳と問題集を買って、いざ試験準備!今度も余裕の合格だな。…
この慢心が地獄の始まりでした。

4級と比べて3級の内容は、

・リスニング問題のスピードが速く、内容も長い
・語彙が一気に増える
・声調&ピンイン問題がさらにややこしくなる
・量詞、構文、補語、接続詞などの問題が難しめ
・長文読解、作文問題の文章量が長い


というように、かなりレベルが上がります。
さらに、合計点数で合格を決めるHSK(漢語水平口試)と違い、中国語検定はリスニング・筆記それぞれで合格基準点を超えなければならない資格です。4級の時点ではそのことをさほど意識しませんでしたが、3級からその形式の難しさを思い知ることになります…

リスニングが速い、長い

3級のリスニング問題は大問が2つで、1つは問いに適切な答えを選ぶ一問一答、もう1つは2人の会話を聞いてあとの内容に関する問いに適切な答えを選ぶ会話の聞き取りです。音声は2回流れるので、1回目に聞き逃しても2回目で挽回するチャンスはあります。

四角の空欄にメモを取りながら音声を聞くことができるのですが、受験当時の私には音声が速すぎてメモを取る余裕がなく…
かなり勘で答えてしまいました。

また、会話の内容も4級と比べて難しくなっており、例えば

A:6月5日水曜日午後5:00に集合ね。
B:あ、やっぱりその2日前の方が都合がいいから、そっちでおねがい。
A:わかった。じゃ、明後日午後5:00に集合ということだね!

問い:今日は何月何日? 

選択肢:1. 6月1日 2. 6月2日 3. 6月3日 4. 6月4日

のような問いが爆速で流れます。中国語を始めたての人には難しいはずです。

会話の聞き取りはこれよりもう少し長く、話も複雑です。これをどのように対策するかは人それぞれだと思いますが、私個人的には具体的な対策方法やコツなどなく、やはり日頃からどれだけ中国語を聴いているかが問われる問題だと感じます。

リスニング対策で私が聴いていたラジオについてはこちらの記事を参考に↓↓↓

4級の時点でリスニングにあれほど自信をもっていた私が3級で65点という悲惨な結果に終わってしまったことから、3級のリスニングは難しいということがわかるでしょう😢😢😢

特に私が受けた第106回のリスニングは平均点が49点とかなり低く、合格基準点も50点に引き下げられるほど難しかったのです!

声調&ピンインは音読で対策

はい、これらの問題は筆記の最初の問題なので、即答できなければいけません。

左の問題は、選択肢中の漢字の声調まで把握していないと答えられません。

例えば(1)新闻は新が一声、闻が二声なので、同じく前の一声二声の組み合わせを探す必要があります。
正しい答えは①安全です。

このような問題は、漢字を見たとき反射的に正しい声調で発音できるかが問われます。単語帳を眺める際に、ただ単語を見るのではなく、単語を見ながら頭の中でもしくは実際に声に出して読み上げながら勉強しましょう。

では右の問題はどうでしょう。なんと、声調を把握していても、ピンインが合っていなければ間違えてしまう問題となっています。

例えば、排球は二声二声の漢字ですが、「①haiqiuだっけ、④paiqiuだっけ?」と混乱してしまいます。
左の問題よりも厳しめですね💦

ですが対策としては左の問題と同様、日頃からどれだけ声に出して中国語を読んでいるかで正答率が大幅に変わります。

リスニングが悲惨だった私も音読だけは毎日やっていたので、18/20と高得点を取ることが出来ました。

量詞、補語、助動詞などの学習は必須

基本的な文法事項をマスターしておかなければ、中検3級合格は叶いません(キッパリ)。

例えば、モノを数える際に使用する量詞。
この量詞の種類の多さは中国語の特徴の一つなのですが、動物の単語だけでも

一条狗(一匹のイヌ)、一只鹿(一匹のシカ)、一匹马(一頭のウマ)

などなど、日本語では見慣れない量詞がいっぱい。
「え、そんなの、全部『一个』でいいじゃん!」なんて声も聞こえてきそうですが、実際どうなのでしょうか。

一个狗、一个鹿、一个马、一个猫、一个老虎、、、たしかに、会話においては何も問題はありません。
しかし中国語ネイティブにこのことを聞いてみると、「通じるけど、量詞がぜーんぶ『一个』だと、ちょっと幼稚な印象だね」だそう💦

「幼稚だ」「量詞を把握してないんだな」なんて思われないように、きっちりマスターしておきたいですね🔥

また量詞以外にも、

(5)と(7)のような、紛らわしさMAXの助動詞と補語が出題されます。

(5)では、選択肢は①会(できる)か②可以(できる)に絞られますが、どういった意味で「できる」なのか、それぞれの助動詞の使い方と問題文の文意を理解していないと解けない問題です。

(7)は、補語の中でも特に難しい「方向補語」の問題です。

文意「最近人が多くなってきた」の「~してきた」というニュアンスを持つのはどの方向補語なのか。方向に関わる単語を文中に使わない日本語母語話者にはかなりキツイ内容ですね💦

このような紛らわしい問題でも、見た瞬間に即答できるレベルに仕上げてはじめて中級者にステップアップできるのです🔥

正誤や長文に慣れておく

はい、どうでしょう、4級の問題より段落が増えて文章量が増えていますね✨

文章中に使われている単語を見ても、「异口同声」や「一摸一样」などの「成語」が見られるようになりました。
「成語」というのは日本語で言う四字熟語のようなもので、中国語会話では頻繁に使われます。

日本語で会話するときにいちいち四字熟語を使うと「なんだコイツ」みたいに思われるかもしれませんが、中国語会話では誰もそのようには思いませんのでご安心を💦

このような長文問題を解くにあたって、理想的なのは「音読してみて、すべての漢字を正しく発音できる」ような状態です。

もちろん効率的に解くために問題箇所だけに注目して素早く解答するのも「受検テクニック」としては正解ですが、本当に中国語を習得したいのであればスラスラと全文読み上げられるくらいに練習しましょう👍

中国語作文を上手く修飾

「この料理はおいしいです」から「この料理はしぬほどおいしいです」に、
「私は明日行きます」から「私は明日少し早めに行きます」に。

4級作文から3級作文にステップアップするには、形容詞や副詞、補語などを使って文を修飾することに慣れておかなければいけません。

これが簡単そうに見えて、実は難しいのです。
例えば、程度を誇張する言葉「しぬほど」をどの位置に入れるか。

「好吃死了」「好吃极了」「好吃得要命」

上の三つの例はどれも正解ですが、共通しているのは修飾語が「好吃(おいしい)」の後ろに置かれていることです。
これは日本語の感覚からするとかなり覚えづらく、私もこのような文の修飾に苦戦しました💦

「少し早めに」というような言い回しも、「有点儿早だっけ、一点儿早だっけ、早一点儿だっけ?」となってしまいがち。
3級を受ける前に、このような日本語文でも正確に中国語に変換できる訓練をしておきましょう🔥

まとめ

大学二年生前期当時の私にとって中検3級合格はかなり高い壁だったため、今回は苦労した思い出に浸りながら長々と書いてしまいました。

65%以上の点数で合格というように、前回の4級より少しハードルが上がっていますが、余裕の合格を目指して頑張りましょう!(ギリギリ合格の私のようにならないように…)

3級に合格できれば中国語の基本を押さえた中級者として、上級の内容にも胸を張ってチャレンジできるのではないでしょうか。
今後もさらに上の級の合格体験記を掲載してまいりますので、受検を検討されている方はぜひそちらもご覧ください✨

私が実際に受験した第106回試験はこちら↓↓↓

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